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高濱正伸「音の森」設立の経緯

高濱挨拶

 花まるグループの音楽教室「音の森」が誕生しました。ここまで支えてくださった、多くのみなさまのおかげです。ありがとうございます。

 中心人物、笹森壮大が、「日本の音楽教育を変えたいんです」と、話しかけてきたのが3年前でした。同じような夢を語る若者はいくらでも来ますが、彼にはピンときました。心の目で見た彼の「想い」が、純粋で明確で力強かったからです。

 私もその一人ですが、幼い頃にピアノを習った多くの人の記憶は、「やたらとヒステリックな怖い先生像」「練習がつらかった」というものです。そこを乗り越えたところで、大人になっての成果と言えば、左手ベース右和音の「伴奏」か、せいぜい数曲の趣味のレパートリーが年と共に不確かなものになっていくだけ。

「結局ピアノを売りたいのでは」、という疑問を、既存の教室に持つ方もたくさんいます。

 一方で音楽家になろうと思えば、全く別枠で特別の先生について、一日何時間も音楽漬けの日々を送るけれど、彼らにしても大半は「つらいけどがんばる」という授業観・レッスン観を持っていて、多くは音楽で食べる道をあきらめたとき、音楽以外の教養の不足など、その偏った人生の借金を背負うことになる。

 「これではいけないんです」というのが、笹森の見解でした。教育は本来「学ぶ喜び」の中で行われるべきだし、総合的な人間力が培われるべきである。そして、花まる学習会を知ったとき、これだと思ったということでした。

 筋の通った話ではありますが、現実にしていくためには、気が遠くなるような多くの泥臭い作業をこなさなければいけません。私は、まず正社員になって教室長業務を全て身につけ、オリジナリティの奥で何が行われているかを体で知り、少なくとも一般の社員と同じように教室長として成立しきることを第一課題としてあげました。次に、何があっても一緒にやっていくぞという仲間を集めなければならないこと、そして、2・3年かかるだろうけれど、なぞぺーのように、真のオリジナル教材を手作りで作り上げなければスタート地点に立てないよということを突きつけました。

 いつもの笑顔で、「分かりました」と言った笹森は、この3年の間に、本当に全てをやりきりました。
「授業の中で、子どもたちに本物のアンサンブルを聞かせたいんです」と聞いたときは、驚きましたが、なりの柔らかさからは想像できないたくましい実行力で、仲間を集め実現しようとしています。

 心から楽しい授業、本物に触れる授業、音楽家になろうと志せばなれる授業、人生が豊かで魅力的になる授業を創造しようとしています。

 別に食べようというだけであれば、演奏家としても大学などでの指導者としても、十分道はあったのに、あえて「これまで日本になかった音楽教育の創造」という、艱難辛苦のしかし輝く道を選ぶ。彼のような才能が寄ってきてくれただけでも、花まる学習会をやってきて、本当に良かったなと感じます。

 私も21年前「このなぞぺーは、将来日本中の本屋さんに並ぶようになるし、公立小学校のモデルにもなるんです」とぶち上げて、失笑されました。しかし、多くのお母様方に応援していただいたおかげで、今日まで生き延びることができました。

 全ては、彼のグループの演奏を聞き、彼の哲学を聞き、「よし、支えよう」と思ってくださる保護者の力にかかっています。どうか、笹森壮大と「音の森」を、応援してあげてください。 よろしくお願いいたします。

花まる学習会代表 高濱正伸

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